持続性エキセナチド投与後に急性膵炎様症状を繰り返し膵・胆管合流異常と診断された1例

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  • A Case of Pancreaticobiliary Maljunction With Recurrent Symptoms Compatible With Acute Pancreatitis After the Administration of Once-Weekly Exenatide

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抄録

症例は64歳男性.44歳時に2型糖尿病と診断され経口血糖降下薬で加療されていたが血糖コントロール不良であった.2013年7月に持続性エキセナチド投与を開始したところ,計11回投与した翌日に膵外分泌酵素上昇を伴う腹痛,嘔気,嘔吐,下痢で入院となった.急性膵炎を疑うも腹部圧痛はなく,腹部CTでも急性膵炎の診断基準は満たさなかったが,それに準じた保存的加療で速やかに改善した.持続性エキセナチド投与は中止したものの,中止後4週時に再び腹痛,嘔吐が現れ受診.上腹部に圧痛を認め,膵外分泌酵素の上昇から急性膵炎と診断した.その後MRCPおよびERCPで膵・胆管合流異常(胆管非拡張型)と診断された.膵・胆管合流異常は急性膵炎を合併しやすいが,本症例ではその経過から持続性エキセナチド投与が急性膵炎の発症に関与した可能性があると考えた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (12), 908-914, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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