意図的な部分切除術を適用した片側下顎頭骨軟骨腫の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A case of osteochondroma of the left mandibular condyle

この論文をさがす

抄録

骨軟骨腫は成熟した硝子軟骨から構成される良性腫瘍で,顎顔面領域での発生は比較的まれである。患者は39歳男性で,咬合異常と咀嚼障害を主訴に来院した。2007年より左側耳前部の腫脹を自覚し,2010年には顔貌の非対称が認められた。徐々に下顎の右方偏位が著明となり,咬合異常と咀嚼障害を認めたため,2013年1月に来院した。触診にて左側顎関節部に骨様硬の腫瘤を認めた。下顎正中は右側へ12 mm偏位していた。パノラマX線写真では左側の下顎窩と下顎頭の間に境界明瞭なX線不透過像を認め,CTでは左側顎関節部に骨皮質で覆われ,内部に不規則な骨硬化像を伴う,39×30×29 mm大の腫瘤状病変を認めた。骨軟骨腫または骨腫の臨床診断で,同年4月に全身麻酔下にて下顎頭を含めた腫瘍切除術を施行した。腫瘍上方部は頭蓋底に接しており,一部に癒着が認められたため,残すこととした。病理組織検査にて骨軟骨腫の診断を得た。現在,術後約2年経過しているが,残存腫瘍の増大などは認めず経過良好である。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ