放射線治療後に特異な再発様式を呈した前立腺癌の1例

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タイトル別名
  • A CASE OF PROSTATE CANCER WITH UNUSUAL PATTERN OF RECURRENCE AFTER RADIOTHERAPY
  • 症例報告 放射線治療後に特異な再発様式を呈した前立腺癌の1例
  • ショウレイ ホウコク ホウシャセン チリョウ ゴ ニ トクイ ナ サイハツ ヨウシキ オ テイシタ ゼンリツセン ガン ノ 1レイ

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抄録

症例は82歳男性.2002年12月,排尿困難を主訴に当科初診.2003年3月,PSA13 ng/mlと高値のため,前立腺生検を施行し,前立腺癌Gleason score 3+4=7と診断(T1cN0M0)された.内分泌療法開始後,2005年2月,I-125密封小線源永久挿入治療を施行し,外照射も併用した.2007年3月,PSAは0.434 ng/mlまで低下したが,その後徐々に上昇傾向となり,2010年2月にはPSA 9.705 ng/mlまで上昇したが,内分泌治療を再開し,PSAは0.080 ng/mlまで低下した.2011年2月,高度の肉眼的血尿と排尿困難が出現し,膀胱タンポナーデの診断で入院となった.CT所見で前立腺と直腸間に液体成分を含む嚢胞性腫瘤がみられた.腫瘤は前立腺と連続しており,腫瘤増大による血尿と排尿状態の悪化と考えられた.組織診断と排尿状態改善のため,腰椎麻酔下で経直腸的前立腺針生検と経尿道的前立腺切除術を施行した.病理組織診断はadenocarcinomaであり,従来の前立腺癌として矛盾しない組織所見であった.手術1カ月後に左頸部腫脹と疼痛を訴え,CT所見で左頸部リンパ節転移,肺多発転移がみられた.前立腺癌の骨盤内再発と遠隔転移と診断し,化学療法を考慮したが,本人が希望せず疼痛コントロールを中心とした緩和治療の方針となった.在宅で療養していたが,徐々に全身状態が悪化し,2011年6月に死亡した.PSAの上昇はみられなかったが,短期間での腫瘤の増大や遠隔転移など急激な進行を呈した.

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