ハナスベリヒユの花の寿命と内生エチレン生成の品種間差異

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  • Difference in Flower Longevity and Endogenous Ethylene Production of <i>Portulaca umbraticola</i> Cultivars
  • Difference in Flower Longevity and Endogenous Ethylene Production of Portulaca umbraticola Cultivars

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抄録

ハナスベリヒユ(Portulaca umbraticola Kunth)は一日花ではあるものの日本の夏季において重要な花壇用花きである.近年,さまざまな特性を有する品種が開発されているが,ハナスベリヒユの開花特性の品種間差異に関する報告はない.本報では,在来品種である‘赤一重’(SR)と近年開発された品種‘サンちゅらかチェリーレッド’(SCR)について花の寿命と内生エチレン生成ならびにエチレン感受性の品種間差異を調べた.SCR は SR よりもやや遅く開花するものの,かなり遅く閉花するために,SCR の花の寿命は SR に比べて著しく長くなった.SCR の花の老化時の内生エチレン生成量を調べたところ,SR より有意に低く,生成のピークが 2 時間遅れた.一方,両品種とも受粉処理,花糸の切除処理および雌しべの除去処理のすべてが有意に花の老化を早め,中でも花糸の切除処理が最も花の老化を促進した.両品種とも濃度 0.5,1,2 μL·L−1 の外生エチレン処理が花の老化を促進した.また,エチレン作用阻害剤である 1-メチルシクロプロペン(1-MCP)とエチレン生合成阻害剤であるアミノエトキシビニルグリシン(AVG)の処理は両品種ともに花の老化を大幅に遅延させ,AVG の方が花の老化遅延により効果的であった.ハナスベリヒユの花の寿命と花の老化時の内生エチレン生成との間に明らかな品種間差異が認められ,内生エチレン生成が遅れて起こり,少ないことが花の寿命の長さに関与していると推定された.一方,ハナスベリヒユ品種は花の寿命の長短に関わらずエチレンに対して感受性を示すことも明らかになった.

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