動眼神経麻痺の自然回復後に多発脳神経麻痺が再発した悪性リンパ腫の1例

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  • Malignant lymphoma presented as recurrent multiple cranial nerve palsy after spontaneous regression of oculomotor nerve palsy: A case report

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抄録

症例は62歳男性.右動眼神経単麻痺の自然回復直後に右側の外転神経,三叉神経,舌咽神・迷走神経の障害が出現.一般血液検査に異常なく抗ガングリオシド抗体陰性.髄液蛋白51 mg/dl軽度上昇も細胞診陰性で頭部MRI,MRAに異常なかった.自己免疫機序による多発脳神経麻痺を考えステロイド,IVIG施行したが効果なく,扁桃と頸部リンパ節が腫脹し,MRIで右眼窩下神経の肥厚,海綿静脈洞と脳神経の濃染が出現.扁桃生検でB細胞性悪性リンパ腫と診断した.本例の多発脳神経麻痺は海綿静脈洞部位から脳幹表層に沿った悪性リンパ腫の直接浸潤が原因と考えられ,自然軽快と再発を呈した貴重な症例と考えられた.

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