KiK-net日野における2000年鳥取県西部地震とその前後の地震波の伝播時間

書誌事項

タイトル別名
  • Propagation Time of Seismic Waves at KiK-net Hino Observation Site during, before and after the 2000 Tottori-ken Seibu Earthquake

抄録

本研究では、KiK-net日野観測点における鳥取県西部地震の本震とその前後の観測記録のNIOM解析を行い、鉛直アレー内の伝播時間の変化を検討した。その結果、(1) 2000年鳥取県西部地震では主要動において速度振幅RMS値が33cm/sに達し、水平成分の伝播時間は0.197sから0.35s程度まで増加したこと、(2)本震後一ヶ月程度までは水平成分の伝播時間は緩やかに減少する傾向が見られるものの、それ以降はほぼ一定値を示し、本震前の値には戻っていないこと、(3)鉛直成分についても水平成分と同様に伝播時間の変化が生じたことなどを指摘した。また、上記の伝播時間に基づいて表層の物性変化を検討し、(4)2000年鳥取県西部地震主要動において最大剪断歪3×10-3、剪断剛性率が20MPa(S波速度100m/s)まで低下し、その後100MPa(S波速度230m/s)まで回復したこと、(5)一方、ポアソン比は0.46~0.47の比較的安定した値を示し、剪断歪への依存性がほとんどみられないことなどを指摘した。

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参考文献 (4)*注記

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