視覚的評価と肝硬度測定機器による非侵襲的肝線維化診断

DOI
  • 長谷川 聡洋
    JA北海道厚生連網走厚生病院医療技術部放射線技術科
  • 和田 智文
    JA北海道厚生連札幌厚生病院医療技術部放射線技術科
  • 島崎 洋
    JA北海道厚生連札幌厚生病院医療技術部放射線技術科
  • 大村 卓味
    JA北海道厚生連札幌厚生病院第三消化器科
  • 市原 真
    JA北海道厚生連札幌厚生病院病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • Non-invasive Diagnosis of Liver Fibrosis by Visual Evaluation and Transient Elastography (FibroScan®)

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抄録

非侵襲的肝線維化診断として肝硬度測定機器による肝弾性値とUSのBモード像による視覚的評価をそれぞれ肝生検による肝線維化ステージ分類と対比した.肝弾性値には肝線維化ステージと良好な相関を認めたが,同じ肝線維化ステージ内であっても得られる値にややバラつきがあり,隣り合う肝線維化ステージ間で重複部分も多く存在することを念頭に置き,肝線維化の推定を慎重に行う必要がある.視覚的評価では正常肝から慢性肝炎への移行期や非ウイルス性肝障害で結果に乖離を認める傾向にあり,肝障害原因別に組織性状とそれに由来する画像的特徴をしっかり把握し判定することが重要である.可能であれば,特に正常肝から慢性肝炎への移行期やNASH, PBC, AIHなどの非ウイルス性肝障害に対しては肝弾性値と視覚的評価を併用することで,さらに精度の高い非侵襲的肝線維化診断が可能と考える.

収録刊行物

  • 超音波検査技術

    超音波検査技術 40 (5), 507-514, 2015

    一般社団法人 日本超音波検査学会

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