肺動脈血栓内膜摘除術を施行した慢性血栓塞栓性肺高血圧症の1 剖検例:肺組織像の特徴

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タイトル別名
  • An Autopsy Case of Chronic Thromboembolic Pulmonary Hypertension after Pulmonary Thromboendarterectomy: Histopathological Character of Pulmonary Artery

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抄録

72 歳の男性.約6 年前よりCTEPH で内科的治療していたがNYHA III 度となり手術目的で入院.PA(m)=75/28(48)mmHg,PVR=701 dyn/ 秒/cm-5.血栓性素因,DVT なし.PEA が施行され,右肺動脈では大量の血栓内膜摘除施行.術中気道出血多く,PCPS 装着して終了するも術後呼吸循環動態が改善せずに,術84 日後死亡した.病理解剖で確認された肺動脈の血栓分布は,臨床評価と同様右肺が中枢型,左肺が末梢型であった.中枢側動脈は,右肺では広範囲に内弾性板が摘除されており,内腔に反応性に二次性血栓が認められた.左肺では内膜が残存し,区域動脈および末梢側に器質化血栓によるband & web を多数認めた.末梢筋性動脈は,肺高血圧による高度の内膜肥厚や器質化血栓が多く存在する一方,静脈様変化が認められた.筋性動脈の静脈様変化は右肺の中枢高度閉塞部の末梢で認められ,再灌流時の気道出血の一因と考えられた.

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 27 (1), 21-26, 2016

    日本静脈学会

参考文献 (6)*注記

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