心臓血管外科手術における自己血及び同種血輸血の現状と適正準備方法の検討

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タイトル別名
  • PERIOPERATIVE BLOOD TRANSFUSION STRATEGIES FOR CARDIOVASCULAR SURGERY

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抄録

心臓血管外科の術式別自己血及び同種血輸血施行の現状を調査し,効率的で的確かつ適正な手術血液準備方法について検討した.冠動脈バイパス術(CABG),体外循環不使用冠動脈バイパス術(OPCAB),弁置換・形成術(VALVE),胸部大動脈人工血管置換術(真性瘤)(TAA),同術(急性解離)(AAD),腹部大動脈人工血管置換術(真性瘤)(AAA),同術(破裂)(ruptured-AAA)の術式で施行された2,601例について,手術中の輸血施行状況を調査,同種血輸血の背景因子について検討した.またSBOEとMSBOSによる血液準備の適正性を検証した.全ての術式に共通する同種血使用の背景因子は術中出血量,循環血液量に対する出血量割合,術前ヘモグロビン値であった.効率的な自己血及び同種血準備方法は,①OPCAB, AAAでは回収式のみ,②CABG, VALVEでは回収式と希釈式を併用,③TAAでは回収式,希釈式,貯血式の併用,④AAD, ruptured-AAAでは回収式及びMSBOSに基づく同種血準備を基本とし,更にいずれの術式においても術前貧血のある症例ではSBOEに基づく同種血準備を加味する必要があると考えられた.

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