腹壁に発生した悪性脂肪形成性孤在性線維性腫瘍の 1 例

  • 荒川 文子
    独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部
  • 田島 秀昭
    独立行政法人国立病院機構水戸医療センター臨床検査科
  • 村田 行則
    独立行政法人国立国際医療研究センター病院中央検査部門
  • 齋藤 広樹
    独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部
  • 石井 幸雄
    独立行政法人国立病院機構東埼玉病院臨床検査科
  • 當銘 良也
    つくば国際大学医療保健学部臨床検査学科
  • 石田 剛
    独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院中央検査部

書誌事項

タイトル別名
  • A case of a malignant fat-forming solitary fibrous tumor of the abdominal wall

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抄録

背景 : 孤在性線維性腫瘍 (SFT) の一亜型である脂肪形成性孤在性線維性腫瘍 (FFSFT) の悪性型を経験したので, その細胞像を中心に報告する.<br>症例 : 70 歳代女性, 肝血管性腫瘍の臨床診断で, 前腹壁腫瘍と肝転移巣を摘出術施行. 腫瘍割面の捺印細胞診標本を作製した. 壊死性背景に多数の裸核状細胞と大小不同や核形不整が著明な紡錘形∼長円形核を有する N/C 比大の腫瘍細胞が血管周囲に集塊でみられ, 集塊内に脂肪細胞が認められた. 組織学的には, 血管周皮腫パターンを呈して異型紡錘形細胞が増殖し, 多数の核分裂像や出血, 壊死も認められた. 多空胞状脂肪芽細胞を含む脂肪細胞が混在していた. 免疫染色では, CD34, bcl-2, CD99 が陽性であった. 以上の所見から悪性 FFSFT と診断した.<br>結論 : 血管周皮腫様構造を取る腫瘍に脂肪細胞や著明な核異型, 壊死がみられた場合は悪性 FFSFT の可能性を考える必要がある.

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参考文献 (6)*注記

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