八ヶ岳山麓の板倉に形成される温熱環境に関する実測調査

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タイトル別名
  • Field measurements of the thermal environment in the wooden storehouses in the area of Mt. Yatsugatake

抄録

本研究の目的は,板倉の壁構法の違いが室内温熱環境の形成に及ぼす影響を実証的に明らかにすることである.八ヶ岳山麓に現存する落とし板倉,井籠倉および土塗り板倉を調査対象とし,室内温熱環境の実測調査を 2007 年の夏季と 2008 年の冬季に行った.その結果,土塗り板倉には,夏季・冬季ともに極めて安定した室内温熱環境が形成されることが再確認された.そして,その気温変動緩和効果は冬季の特に寒冷な日に日最低気温の低下を緩和する効果として最も顕著に現れ,その調湿効果は冬季よりも夏季においてより顕著に現れることが明らかとなった.一方,落とし板倉と井籠倉を比較すると井籠倉の方がより安定した室内温熱環境が形成された.夏季において井籠倉の方が落とし板倉よりも 1 階の気温の日較差が明確に小さかった.冬季低温日の日最低気温は,井籠倉の方が落とし板倉よりも明確に高かった.落とし板倉では冬季に最も寒冷な室内温熱環境が形成されていることが明らかとなった.落とし板倉,井籠倉および土塗り板倉には調湿効果が現れた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204791920384
  • NII論文ID
    130005130114
  • DOI
    10.11227/seikisho.52.45
  • ISSN
    13477617
    03891313
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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