オメンチンの心血管病における役割

  • 柴田 玲
    名古屋大学大学院 医学系研究科 先端循環器治療学
  • 大内 乗有
    名古屋大学大学院 医学系研究科 分子心血管病学寄附講座
  • 室原 豊明
    名古屋大学大学院 医学系研究科 循環器内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Omentin and cardiovascular disease
  • オメンチン ノ シンケッカンビョウ ニ オケル ヤクワリ

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抄録

肥満症を中心とした代謝異常,心血管病の病態には,種々のアディポカインの産生異常が関わっている.近年,アディポネクチンなど生活習慣病や心血管病に保護的作用を有している可能性が高いと思われるアディポカインが見出されている.オメンチンもその一つである.肥満症や冠動脈疾患においてオメンチンの血中濃度は低値を示す.オメンチンは,血管において血管新生促進作用やリモデリング抑制作用を有し,心臓においては心筋梗塞縮小効果や心臓リモデリング予防効果を発揮する.今後,オメンチンのさらなる機能解析や発現作用調節機構の解明が,心血管病の病態解明への新たなアプローチにつながると考えられる.オメンチンは心血管病への診断に有用であるだけでなく,今後,治療への応用にも期待される.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 147 (3), 139-142, 2016

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (14)*注記

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