非外傷性小腸穿孔62例の臨床的検討

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  • A Clinical Study on 62 Cases of Non-traumatic Perforation of the Small Intestine

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抄録

当科で2009年4月から2014年3月までに経験した非外傷性小腸穿孔62例を検討した。原因はヘルニア嵌頓が15例(24%),腫瘍性が9例(15%),癒着性腸閉塞に起因したものが9例(15%),クローン病が8例(13%)であり,以下医原性4例,特発性4例,小腸潰瘍3例と続いた。術前に小腸穿孔と診断し得たのは,わずか5例(8.1%)で,在院死亡を6例(9.7%)に認めた。ヘルニア嵌頓に関連した穿孔は高齢女性に多く,クローン病に起因した穿孔は発症年齢が低かったが,創感染,腹腔内膿瘍などの術後合併症が多くみられた。腫瘍性の穿孔は術後3ヵ月以内の死亡率が60%と高く,良性疾患を原因とした死亡例は4例(6.5%)で,肝硬変や腎不全などの重篤な併存疾患を有していた。小腸穿孔は術前診断が極めて困難で,機を逸せず手術をすべきであるが,術後合併症は半数以上にみられ,重篤な併存疾患のある例や腫瘍性穿孔例では予後が不良であった。

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