腹腔鏡補助下結腸切除を施行した特発性腸間膜静脈硬化症の1例

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  • A Case of Idiopathic Mesenteric Phlebosclerosis Treated with a Laparoscopic Colectomy

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抄録

患者は37歳の男性で,主訴は腹痛,嘔吐であった。アトピー性皮膚炎に対して10年間14種類の漢方生薬を服用していた。腹部造影CTで特発性腸間膜静脈硬化症(idiopathic mesenteric phlebosclerosis:IMP)による麻痺性イレウスと診断した。保存的に加療し軽快したが,退院後5日目に症状が再燃したため再入院となった。腹部CT検査では盲腸から下行結腸脾弯曲部の腸間膜静脈分枝に沿った多数の線状粒状石灰化を認めた。下部消化管内視鏡検査では盲腸から下行結腸の粘膜は茶色を呈しており,横行結腸を中心にびらんが散在していた。同部位の生検では静脈周囲の線維性肥厚を認め,IMPと診断した。腹腔鏡補助下拡大結腸右半切除術を行い,漿膜側の色調が良好で浮腫のない脾弯曲部を切除線とした。術後36ヵ月が経過した現在再発を認めていない。IMPの1切除例を経験したので報告する。

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