がん診療における心身医学の役割

  • 三浦 勝浩
    日本大学医学部血液膠原病内科 日本大学医学部附属板橋病院腫瘍センター 日本大学医学部附属板橋病院心療内科
  • 石風呂 素子
    日本大学医学部附属板橋病院心療内科
  • 三輪 雅子
    日本大学医学部附属板橋病院心療内科
  • 内山 佳代子
    日本大学医学部附属板橋病院心療内科
  • 丸岡 秀一郎
    日本大学医学部附属板橋病院心療内科 日本大学医学部呼吸器内科
  • 村上 正人
    日本大学医学部附属板橋病院心療内科 日本大学医学部呼吸器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Role of Psychosomatic Medicine in Anticancer Treatment : Opinion from an Oncologist
  • がん診療における心身医学の役割 : 臨床医の立場から
  • ガン シンリョウ ニ オケル シンシン イガク ノ ヤクワリ : リンショウイ ノ タチバ カラ
  • —臨床医の立場から—

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抄録

近年の抗腫瘍薬の開発は目覚ましい進歩を遂げ, 切除不能進行がんに対する薬物治療の成績は飛躍的に向上しているが, 従来のがん診療は臓器別の生物学的側面のみに重点が置かれているため, 多様化するがん診療現場のニーズを十分に満たしているとは言い難い. よって臓器横断的ながん治療の総合的知識とエビデンスに基づく適切な診療の実践はもとより, がん患者の身体的, 心理的, 社会的, 霊的痛みに対して最適な治療を提供する能力をもつオンコロジストの養成が急務である. そのためには従来のカリキュラムに加え, 心身医学や臨床心理学の知識とそれらを生かしたコミュニケーション技術の向上, ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践などを学習目標に組み込んだ, 全人的医療人の育成が必要である. 本稿ではがん治療医の立場から, 緩和ケア, コミュニケーション, 治療的自己といったキーワードを軸にがん診療における心身医学のポテンシャルについて総説する.

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 56 (3), 213-216, 2016

    一般社団法人 日本心身医学会

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