肺切除部断端に再燃し髄膜炎を併発した肺クリプトコッカス症の1例

  • 原田 洋明
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科
  • 若原 誠
    鳥取大学医学部胸部外科
  • 三隅 啓三
    広島大学医学部腫瘍外科
  • 坪川 典史
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科
  • 鳥居 剛
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター神経内科
  • 山下 芳典
    国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of pulmonary cryptococcosis with meningitis and local recurrence after pulmonary resection

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抄録

症例は46歳女性.検診で胸部異常陰影を指摘され来院.胸部CTにて右肺上葉に0.7 cm大の結節影を認め,診断と治療を兼ねた肺部分切除術が施行された.病理組織学的検査にて,炎症性肉芽組織に被包されたクリプトコッカス結節が認められたが,結節外に菌体は認めず.血清学的に免疫機能正常,血清クリプトコッカス抗原は術後3週目に陰性だったため補助療法は行わず経過観察となった.術後4ヵ月目に頭痛と発熱を主訴に来院.胸部CTで右肺に径5 cm大の結節影を認め,血清および髄液中のクリプトコッカス抗原価も上昇しており,肺クリプトコッカス症の再燃および髄膜炎と診断された.抗真菌薬治療後,右上葉切除術を施行.術後も抗真菌薬投与を1年続け,その後再発なく経過中である.本例は基礎疾患を有さず,単発の肺結節病巣を切除後の抗原価も陰性であり,補助療法不要と判断されたが,術後比較的早期に再燃・髄膜炎を来した稀な症例であり報告する.

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参考文献 (4)*注記

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