脳性まひ合併気管切開後の良性気道狭窄に対するT-tube長期留置によるステント療法の1例

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  • Long-period Indwelling T-tube Stent Therapy for Post-tracheostomy Tracheal Stenosis

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抄録

背景.重症心身障がい者において嚥下性肺炎や慢性呼吸不全に伴い気管切開が必要になった場合,稀ではあるが長期間チューブ留置によって気管狭窄を発症することがある.このような症例に対する外科的治療は全身状態や社会的背景から導入が難しい場合がある.今回,脳性小児まひを有する症例に気管切開を施行され,それに伴う良性気管狭窄に対してT-tubeを留置して良好な経過を辿っている症例を経験した.症例.脳性小児まひを有する36歳女性で,34歳時に脳出血を発症して他院で気管切開を施行されていた.気管切開後2年経過時に切開口周囲に易出血性の不良肉芽を認めたため当院へ紹介となった.気管支内視鏡所見では入口部に肉芽の突出・狭窄を認め,レーザー焼灼・肉芽除去の後にシリコンT-tubeを留置した.現在留置後3年で特にトラブルなく経過している.結論.脳性まひに伴う長期気管切開管理が必要になった症例における良性気管狭窄に対して,シリコンT-tube留置は有用な一手段だと考えられた.他の外科的治療などとの比較に関して興味ある1例と考えられたので文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 38 (2), 101-106, 2016

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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