16年間に慢性甲状腺炎・自己免疫性肝炎・緩徐進行1型糖尿病・全身性エリテマトーデスを発症した1例

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タイトル別名
  • A Case of Autoimmune Polyglandular Syndrome Type 3 Which Developed Chronic Thyroiditis, Autoimmune Hepatitis, Slowly Progressive Type 1 Diabetes Mellitus and Systemic Lupus Erythematosus Through 16-Year Duration

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抄録

症例は74歳女性.58歳時に甲状腺機能低下症と診断され内服加療されていた.73歳時に肝機能障害が出現し,74歳時に随時血糖216 mg/dl,HbA1c 6.5 %から糖尿病と診断された.同時期より両手足の関節痛を認めていた.血糖コントロールが悪化傾向にあったため,精査加療目的に当科へ入院となった.抗核抗体陽性・肝生検所見・抗GAD抗体陽性・抗ds-DNA抗体陽性などから慢性甲状腺炎に自己免疫性肝炎・緩徐進行1型糖尿病・全身性エリテマトーデスを合併した自己免疫性多内分泌腺症候群(autoimmune polyglandular syndrome:以下APSと略す)3型と診断した.我々が検索しえた複数の自己免疫疾患を合併したAPS3型症例の解析により,時間差をもって様々な自己免疫疾患を合併してくる例が存在することが示され,診断後も定期的な問診や自己抗体測定が必要であると考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 59 (3), 163-173, 2016

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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