麻痺性斜視の診断

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  • Diagnosis of Paralytic Strabismus

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抄録

本稿は「麻痺性斜視の診断」と題して「第71回日本弱視斜視学会総会のミニシンポジウム1 麻痺性斜視―診断と治療の進歩」で講演した内容をまとめたものである.麻痺性斜視の診断は,動眼神経,滑車神経,外転神経の脳神経麻痺の診断であり,それぞれの脳神経麻痺の原因検索をしなければならない.原因となり得る疾患とそれらの年代別の頻度を理解することが重要であり,またそれぞれの脳神経の解剖学的特徴を理解することが重要である.さらに動眼神経麻痺の原因となり得る脳動脈瘤,外転神経麻痺の原因となり得る脳腫瘍は患者の生命を脅かし得る疾患であり,どのテキストでも強調されている最重要事項である.これらの麻痺性斜視の診断についての基本となる事項を分かりやすく述べ理解してもらうことが本稿の目的である.麻痺性斜視の診断の応用編となる事項として,瞳孔散大を呈さない脳動脈瘤による動眼神経麻痺,両側滑車神経麻痺,軽度の外転神経麻痺と区別が困難な後天共同性内斜視,複合脳神経麻痺についても述べる.

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 33 (1), 3-10, 2016

    日本神経眼科学会

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