間質性肺炎を背景とした肺嚢胞内出血から 重症脳空気塞栓をきたした一例

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タイトル別名
  • Severe Cerebral Air Embolism Associated with a Pulmonary Cyst in a Patient with Interstitial Pneumonia

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抄録

脳空気塞栓症は空気が血管内に流入し脳虚血症状を呈する病態である。症例は70歳代男性,肺癌術後で間質性肺炎の既往があり一過性麻痺を主訴に救急外来を受診した。各種検査で異常は無かったが再度麻痺症状が出現し頭部MRIT2*強調画像で一部低信号域があり麻痺の原因検索のため入院となった。入院後に急変し頭部CTにて脳空気塞栓が認められた。全身管理及び空気の流入源同定目的でICU入室したが脳浮腫増悪し入院五日目に死亡した。剖検では胸膜と肺の癒着と肺嚢胞内出血があり嚢胞に露出した血管からの空気の流入が推測された。麻痺症状がありMRIT2*強調画像で低信号域があれば空気塞栓の可能性を念頭におくべきと考える。

収録刊行物

  • 蘇生

    蘇生 35 (1), 6-9, 2016

    日本蘇生学会

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