膵・胆管合流異常症に合併した胆嚢印環細胞癌の1例

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タイトル別名
  • A case of signet-ring cell carcinoma of the gallbladder with pancreatico aljunction

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抄録

症例は40歳男性.健診異常にて近医受診,胆嚢の腫大と頸部の壁肥厚像を指摘され,精査加療目的で当院紹介となった.上記に加え,DIC-CTで膵・胆管合流異常を認め,膵・胆管合流異常症に合併した胆嚢腺筋腫症と診断した.術中所見では,胆嚢は白色硬化し,体部には壁のひきつれと漿膜血管の異常な拡張・蛇行像を認めた.胆嚢体部の胆嚢癌と術中診断し,肝床切除術,D2郭清術,肝外胆管切除術,肝管空腸吻合術を施行した.切除標本病理所見では胆嚢頸部に高分化型管状腺癌を認め,胆嚢体部に印環細胞癌の浸潤増殖像を認めた.漿膜下層への浸潤を認め,第2群リンパ節(#12p1)に転移を認めた.以上よりpT2pN1M0,pStageIIIBと診断した.現在術後9カ月無再発生存中である.膵・胆管合流異常症を伴う胆嚢原発印環細胞癌はまれであり,貴重な症例であると考えられるため報告する.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 30 (1), 106-111, 2016

    日本胆道学会

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