造林・育林費用の許容上限の簡易な計算方法

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  • A Simple Method to Calculate the Upper Limits on Silviculture Cost
  • ゾウリン ・ イクリン ヒヨウ ノ キョヨウ ジョウゲン ノ カンイ ナ ケイサン ホウホウ

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抄録

所与の収益モデルにおいて,森林経営者が制御可能な変数を最適化したときに採算が取れる造林・育林費用の上限は,その許容上限と定義できる。この簡易な計算方法があると,補助金制度の設計や妥当性の検証に有用である。本論では,制御可能な変数を伐期齢のみとし,間伐利益および管理費を考慮しないという簡略化のもとで,経営基準が土地期望価(SEV)および収穫木の正味現在価値(NPV)のいずれの場合も適用できる,造林・育林費用の許容上限の簡易な計算式を誘導した。この式は,面積当たり主伐利益の成長がRichards関数またはGompertz関数に従うとの前提の下で導かれる。上層樹高の成長がいずれかの成長関数に従い,面積当たり収穫材積と上層樹高が冪乗関係にあり,さらに収穫材積当たり主伐利益が一定という三つの仮定の下で,誘導された計算式が利用できる。長野県の主要造林樹種4樹種について,地位級ごとに造林・育林費用の許容上限を計算したところ,本論の設定値では,スギ,ヒノキの地位級1以外では造林・育林費用を100万円/ha以下に抑える必要があり,地位級1のカラマツを除いて50%以上の造林補助率が必要との結果になった。

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