ラマン散乱分光イメージング法による多色摺木版画の色材分子分布解析法の開発

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タイトル別名
  • Development of molecular distribution analysis method of color pigments on Japanese woodblock prints by Raman spectral-imagin
  • ラマン サンラン ブンコウ イメージングホウ ニ ヨル タイロズリ モクハンガ ノ シキザイ ブンシ ブンプ カイセキホウ ノ カイハツ

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抄録

錦絵をはじめとする多色摺木版画において,色材は木版画を特徴付ける重要な要素である.そのため,色材の分子構造および分子分布の詳細な解析が実現されれば,江戸時代の錦絵制作過程の重要な一部を推察することができる可能性がある.そこで本研究では,分子構造を強く反映した情報が得られるラマン散乱分光法に着目し,色材の分子構造と空間分布を同時に解析が可能な非侵襲的色材解析法の開発を行った.その結果,ラマン散乱分光法を用いることで色材の分子構造解析およびその空間分布を可視化することに成功した.特に,紙面内イメージングから紙の繊維上の色材分布を可視化することに成功した.また,紙面と垂直方向のイメージングから,色材の立体的空間分布を可視化することに成功した.さらに,膠含有/不含色材の空間分布の違いも明らかにし,色材分布に基づく摺刷技術解析の可能性を示した.以上の結果から,本手法は多色摺木版画制作技法の新たな解析手法となると考えられる.

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