透析患者に生じる運動器の障害

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  • Musculoskeletal disorders in hemodialysis patients

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抄録

透析患者の運動器障害の原因としては,骨関節病変,骨格筋減少,四肢血流障害などが挙げられる.慢性腎臓病代謝性骨疾患(CKD-MBD)の概念では,透析患者の骨病変,動脈硬化病変は,心血管系イベント,骨折発生,生命予後に影響する.透析患者の運動器障害の特徴としては,骨代謝異常による骨強度の低下と,透析によって除去されないβ2ミクログロブリンを原因とした骨関節組織へのアミロイド沈着による骨関節破壊が挙げられる.これらの変化は全身の骨関節に及んでいる.症状の出ている局所はもちろん,現在臨床症状を認めない骨関節でも潜在的に認められ,外傷などがなくても容易に障害が発生する.治療時には,障害された局所のみでなく,全身の運動器の状態を評価し治療にあたることが,治療後長期のADLの向上に重要である.

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