実験安全評価のための作業者特性の数値化 ─ 中和滴定操作を例とした実験操作における探索的学習についての数理的解析─

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タイトル別名
  • Parameterization of experimenters' characteristics for safety evaluation in laboratories -Mathematical analysis of inquiry-based learning in experiments involving neutralization titration-
  • 実験安全評価のための作業者特性の数値化 : 中和滴定操作を例とした実験操作における探索的学習についての数理的解析
  • ジッケン アンゼン ヒョウカ ノ タメ ノ サギョウシャ トクセイ ノ スウチカ : チュウワ テキテイ ソウサ オ レイ ト シタ ジッケン ソウサ ニ オケル タンサクテキ ガクシュウ ニ ツイテ ノ スウリテキ カイセキ

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抄録

大学等で行われる実験操作の多様な行い方から作業者個人の実験操作の仕方に関する特性をパラメータとして記述することは、実験操作を安全に行うための有効な情報となりうると期待されている。これまで筆者らは水の秤量操作を例として、作業者個人の実験操作の仕方に関する数値化手法の提案を行ってきた。本稿では、探索的な学習に着目し、中和滴定操作を例として、各作業者の特性をパラメータ化することで、探索的学習についての作業者の特性の大別化と個人の特性の表現、探索的な学習を求められる実験操作の特性について数理モデルによる解析を行った。 各被験者がビュレットから投入する水酸化ナトリウム水溶液の液面の時間挙動についての各5回の試行を指標化し、学習曲線として広く知られるロジスティック曲線を用いてフィットすることで、作業者の探索的学習についての特性をパラメータによって表現できることが明らかになった。同時に、フィッティングした結果得られた曲線の形状から、S字の学習曲線を描くタイプと、少しずつ学習するタイプとの2つに大別されることがわかった。 一方、中和滴定操作での最終値を見つけた後の状態と、最終値が明確である水の秤量操作を行っている状態とを数理モデルを用いた比較を行った結果、最終的な目標値がわかった後は、水の秤量操作と同じような実験操作として認識されるようになることが明らかになった。

収録刊行物

  • 環境と安全

    環境と安全 7 (1), 3-10, 2016

    大学等環境安全協議会

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