緑内障の病態と薬物治療および今後の展望
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- 嶋澤 雅光
- 岐阜薬科大学生体機能解析学大講座薬効解析学研究室
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抄録
我が国の中途失明疾患には,緑内障,糖尿病網膜症,加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration:AMD)および網膜色素変性症などがある.中でも緑内障,糖尿病網膜症および網膜色素変性症は中途失明の三大原因と呼ばれ,緑内障が成人の中途失明原因のトップを占め(全体の20.7%),40歳以上の平均有病率は5.0%と非常に高い.本疾患は,いったん失明に陥ると現在の医療では治療する手段はなく,患者の生活の質(QOL)の著しい低下を招き,本人はもとよりその家族に与える精神的,身体的,経済的負担は計り知れない.<br>緑内障は,進行性の網膜視神経節細胞の消失とそれに対応した視野異常を伴う視神経症である.したがって,その病態は視神経の変性に起因することが知られているが,その病態発症機序については眼圧がその病態発症および進行リスクの1つであること以外には十分に解明されていない.一方,眼圧を下降させる薬物または手術療法による眼圧下降療法により病態の進行を抑えることが証明されていることから,様々な眼圧下降薬が開発され,臨床応用されている.<br>そこで本稿では,緑内障の病態と薬物治療,ならびに今後期待される治療アプローチについて述べる.
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 50 (3), 207-211, 2014
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679475838208
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- NII論文ID
- 130005147091
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可