腹腔鏡下に修復し得た横行結腸間膜大網裂孔ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A Case of Internal Hernia of the Transverse Mesocolon Incarcerated into the Omental Bursa

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抄録

症例は75歳,男性.上腹部痛を主訴に前医を受診し内ヘルニアによる絞扼性イレウス疑いにて紹介となった.腹部CT検査では右上腹部にclosed-loopを形成する拡張小腸を認めた.横行結腸背側から網嚢内へ小腸が陥入することから横行結腸間膜大網裂孔ヘルニアによる絞扼性イレウスと診断し腹腔鏡下手術を施行した.横行結腸間膜に約3cmの裂孔および同部に陥入する発赤を伴う小腸を認めた.牽引での整復が困難であったため,網嚢を開放し観察すると陥入小腸には壊死所見を認めなかった.再度,脱出腸管を整復すると容易に還納でき,ヘルニア門および開放した網嚢を縫合閉鎖し手術を終了した.本邦にて結腸間膜を両葉欠損する横行結腸間膜大網裂孔ヘルニアの報告は21例あり,腹腔鏡下に修復し得た症例は本例を含め2例のみであった.今回,われわれは術前に診断し腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (2)*注記

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