原発巣切除8年後に胃転移をきたしたStage I直腸癌の1例

• 山本 隆嗣

  石切生喜病院外科

• 大河 昌人

  石切生喜病院外科

書誌事項

タイトル別名

• Gastric Metastasis from the Rectum Eight Years after Laparoscopic Low Anterior Resection for Early-Stage Rectal Cancer—A Case Report
• Gastric Metastasis from the Rectum Eight Years after Laparoscopic Low Anterior Resection for Early-Stage Rectal Cancer—A Case Report

抄録

症例は84歳，男性で8年前にStage I直腸癌で低位前方切除術，6年前に吻合部再発でMiles手術の既往がある．貧血精査のため施行した上部消化器内視鏡検査で胃角部の粘膜下隆起病変から腺癌が発見され，幽門側胃切除と1群リンパ節郭清が施行された．粘膜に癌はなく，粘膜下組織と筋層のみに癌を認めた．リンパ節転移はなく，癌組織は既往の直腸癌に酷似しており，免疫組織化学検査で（CDX2陽性/CK7陰性/CK20陽性/MUC5AC陰性/MUC6陰性）で転移性胃癌と診断した．術9ヵ月後現在再発を認めていない．大腸癌の胃転移はまれであるが，胃内多発や同時他臓器転移や病期進行症例が多く，予後不良である．しかし自験例の様な肉眼的治癒切除例は予後を期待できる報告もされている．再発率の高い病期や経過が非典型的な症例はまれな臓器への転移も憂慮され，術後サーベイランスを長期に行うことが肝要と考えられた．

収録刊行物

• 日本大腸肛門病学会雑誌

  日本大腸肛門病学会雑誌 69 (5), 247-253, 2016

  日本大腸肛門病学会

キーワード

• 大腸癌胃転移
• 転移性胃癌
• 大腸癌胃転移治療

詳細情報

• CRID: 1390282679834001536
• NII論文ID: 130005147421
• DOI: 10.3862/jcoloproctology.69.247
• ISSN: 18829619
• ISSN: 00471801
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcoloproctology/69/5/69_247/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2016319223
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可