携帯端末を活用し救急医療連携をターゲットとした画像連携システムの開発

DOI
  • 内村 祐之
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 藤田 英雄
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 脇 嘉代
    東京大学大学院 医学系研究科 健康空間情報学講座
  • 大前 浩司
    株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ フロンティアサービス部
  • 寺島 正浩
    心臓画像クリニック飯田橋
  • 大江 和彦
    東京大学大学院 医療情報経済学

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Image Sharing System for Acute Medicine (ISSAM) Utilizing Mobile Devices

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抄録

複数の医療施設を有効に連携させる方策は近年益々重要になり,特に循環器救急領域においては患者の重症度層別化により適切な診療を施す医療連携の仕組みが求められる.本研究では携帯端末を用い,画像診断クリニックを中心に救急医療連携をターゲットとした画像連携システムとして,診断画像等の医療情報に特化した即時性のある連携システム(ISSAM)を開発し,より緊密な医療連携を実現させることを目的とした.ISSAMは2つのデータベースパートとこれを連携し統合する医療連携サーバからなり,登録されたDICOM画像はLossless JPEG 画像へ変換されPDFファイルと共にPCの他携帯端末でも参照が可能である.画像診断クリニックを中心にISSAMを用いた性能評価試験を施行し,VPN接続したリモート環境からAndroid携帯端末を用いて冠動脈CT,心臓MRIの画像情報を従来のFAXによる連携と比較して短時間に参照し重症度の判断を行うことが可能であることが確認できた.今後,ISSAMを用い画像診断クリニックと病院間での救急搬送における医療連携において実証試験を行い,冠動脈CTや心臓MRIの迅速な画像診断による重症度の層別化により救急患者受け入れの適格性や患者の治療予後にいかなる変化をもたらすかについて臨床研究をベースとした医学的有用性エビデンスの構築を目指す.

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 34 (1), 25-34, 2014

    一般社団法人 日本医療情報学会

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