脳性麻痺患者に生じた盲腸捻転の1例

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  • A Case of Cecal Volvulus in a Patient with Cerebral Palsy

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抄録

症例は30歳,男性.脳性麻痺患者で床上生活の状態であった.前日から出現した腹部膨満にて近医を受診し,投薬を受けたが改善しないため,当院を受診した.横臥による腰椎の前彎が高度で,下腹部に著明な膨満と腹膜刺激徴候があり,腹部単純レントゲンにて骨盤腔に拡張した腸管ガス像,またCTではwhirl sign様の,骨盤内に大腸の拡張および腹水を認めた.これらの所見から腸軸捻転を疑い緊急手術を施行した.盲腸は著明に拡張,壊死をきたしており,腸間膜を軸として反時計回りに360°捻転していた.壊死腸管を切除,吻合して手術を終了した.術後経過は良好で術後3日目より経口摂取を開始,術後20目に退院となった.盲腸捻転は比較的稀な疾患であり,重症心身障害児や超高齢者での発症が多く理学所見に乏しいことが多い.絞扼による腸管壊死を伴うことも多く,迅速な診断,手術が必要である.

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