高齢女性に発症し線条体ドパミントランスポーター発現を評価し得た糖尿病性舞踏病の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Diabetic Chorea That Occurred in an Elderly Woman, Evaluated by the Expression of Dopamine Transporter in Striatum
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抄録
症例は88歳女性.6年前に糖尿病と診断可能な病歴があるが詳細不明.3年前(85歳時)に不随意運動で他医入院時に糖尿病と診断され,インスリン自己注射で加療中であった.患者の自己注射中止希望もあり,インスリンを減量しDPP-4阻害薬を開始したところ,2ヶ月間でHbA1c 8.9 %から15.0 %まで悪化し,左上肢の舞踏病様不随意運動が出現して当院紹介された.脱水補正,インスリン投与により不随意運動は速やかに消失した.不随意運動は経過,画像所見ともに糖尿病性舞踏病(以下DCと略す)の確実例と診断した.他の不随意運動との鑑別のため実施した123I-イオフルパンSPECTで,線条体ドパミントランスポーター発現量が病側(症状出現の対側)の右線条体で減少していた.これまでDCについて神経生理学的側面から評価を行った報告はなく,本例での観察所見は今後DCの成因や機序を解明・考察する上で貴重と考え報告した.
収録刊行物
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- 糖尿病
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糖尿病 59 (4), 203-209, 2016
一般社団法人 日本糖尿病学会
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詳細情報
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- CRID
- 1390282679884343424
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- NII論文ID
- 130005149633
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- ISSN
- 1881588X
- 0021437X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可