書誌事項
- タイトル別名
-
- A case of central nervous system relapse in acute promyelocytic leukemia
この論文をさがす
抄録
症例は70歳女性である.急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia; APL)の完全寛解後に,左三角筋,右手内筋,両下肢の筋力低下と,右大腿外側および両下肢遠位の異常感覚が出現した.末梢血では異型細胞は検出されなかったが,髄液中に前骨髄球を,造影MRIでは脊髄多発性病変をみとめた.末梢神経伝導検査では下肢優位の伝導異常をみとめ,髄腔内化学療法・全脊髄照射後に神経症状が完全に消失したことからAPLの髄膜播種および神経根近傍への浸潤を疑った.APLの中枢神経播種は稀であるが,何らかの神経症状が出現した場合は早急な精査加療が必要である.
収録刊行物
-
- 臨床神経学
-
臨床神経学 56 (4), 273-276, 2016
日本神経学会