初発時に髄外造血による多発皮下腫瘤を合併した慢性骨髄性白血病

  • 黒澤 修兵
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 都立大塚病院 血液内科
  • 土岐 典子
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 海渡 智史
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 阪口 正洋
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 都立大塚病院 血液内科
  • 原田 介斗
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 都立大塚病院 血液内科
  • 日野 裕太郎
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 山本 圭太
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 池川 俊太郎
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 吉岡 康介
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 渡邉 大介
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 妹尾 寧
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 渡壁 恭子
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 萩野 剛史
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 都立大塚病院 血液内科
  • 五十嵐 愛子
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 名島 悠峰
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 小林 武
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科 都立大塚病院 血液内科
  • 垣花 和彦
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 宮脇 修一
    都立大塚病院 血液内科
  • 坂巻 壽
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科
  • 大橋 一輝
    がん・感染症センター 都立駒込病院 血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Chronic myelogenous leukemia initially presenting with multiple subcutaneous tumors due to extramedullary hematopoiesis
  • 症例報告 初発時に髄外造血による多発皮下腫瘤を合併した慢性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク ショハツジ ニ ズイガイ ゾウケツ ニ ヨル タハツ ヒカ シュリュウ オ ガッペイ シタ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

53歳女性。全身の皮下腫瘤と右上肢の疼痛を主訴に入院となった。骨髄は過形成で各成熟分化段階の顆粒球を認め,Philadelphia染色体が検出されたため,慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia, CML)と診断された。皮下腫瘤の生検組織診では各成熟分化段階の顆粒球が主体で,赤芽球と巨核球の増殖も認め,p53陽性細胞やCD34陽性芽球はほとんど認められなかった。皮下腫瘤はblastomaではなく,髄外造血と考えられた。このためdasatinib 140 mg/日の治療を開始し,右腋窩腫瘤に対しては疼痛や末梢神経障害を合併していたため,放射線照射を併用した。約1ヶ月で血液学的完全寛解が得られ,皮下腫瘤も消失した。しかし細胞遺伝学的完全寛解は得られなかったため,nilotinibに変更し同種造血幹細胞移植の準備中である。髄外造血と考えられる皮下腫瘤を初発時から合併したCMLの報告は少なく,症例の蓄積により病態の解明が望まれる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (4), 461-466, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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