IA期肺癌手術中に偶然見つかった悪性胸膜中皮腫の一例

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タイトル別名
  • A case of early-stage malignant pleural mesothelioma accompanied by Stage IA lung adenocarcinoma

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抄録

症例は60歳,男性.解離性大動脈瘤の経過観察中に胸部CTで0.6 cm大の結節影を指摘された.6年間で1.4 cm大に増大し,原発性肺癌が疑われ手術となった.胸腔鏡下に部分切除を施行し,迅速検査にて腺癌の診断を得たが,術中壁側胸膜に白色小結節が散在しており,一部の結節を切除し迅速検査に提出した.悪性で胸膜播種を否定できないと病理診断があり,根治的切除を断念,手術を終了した.胸膜病変は複数存在したが,最大2 mm径の小型病変で,永久標本での病理診断は,胸膜下脂肪組織への微小浸潤を伴う上皮型悪性胸膜中皮腫であった.一方肺病変は1.2 cm大で,乳頭状増殖優位型腺癌と診断された.IA期肺腺癌及びIa期悪性胸膜中皮腫の同時重複癌と診断し,改めて左胸膜肺全摘術を実施した.最終診断は,左肺腺癌pT1aN0M0 IA期及び胸膜中皮腫pT1aN0M0 Ia期であった.術後18ヵ月を経過し,再発なく健在である.

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参考文献 (16)*注記

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