肺移植術後の水痘帯状疱疹ウイルス感染症の検討

  • 桃實 徹
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 井上 匡美
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 南 正人
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 新谷 康
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 舟木 壮一郎
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 川村 知裕
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 藤原 綾子
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学
  • 奥村 明之進
    大阪大学大学院医学系研究科外科学講座呼吸器外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Varicella zoster virus infection after lung transplantation

この論文をさがす

抄録

水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)感染症は免疫抑制状態ではよく経験されるが,肺移植後に関しての報告は少ない.当科における2000年から2014年までの肺移植および心肺移植手術例50例のうち11例にVZV感染症の発症を認め,男性4人,女性7人で,移植から発症までの期間は中央値で29ヵ月であった.病変の局在は,顔面2例,胸部4例,腰仙骨部3例,全身2例であり,そのうち眼合併症1例,内臓播種性病変1例の合併を認めた.治療内容は,アシクロビル経静脈投与が2例,バラシクロビルまたはファムシクロビル経口投与が9例であり,11例中4例に入院治療を要したが,死亡例は認めなかった.肺移植後の強力な免疫抑制状態のもとでは,遠隔期においてもVZV感染症の発症を認めた.肺移植後にはVZV感染症が発症・重症化する危険性を念頭にいれ,迅速な診断と治療が肝要と考えられた.

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ