大腿骨転子下骨折保存的治療中に大腿骨遠位骨片が大腿動脈を傷つけ,大腿血腫を生じた一例

この論文をさがす

抄録

大腿骨転子下骨折保存的治療中に大腿骨遠位骨片が大腿動脈を傷つけ,大腿血腫を生じた一例を経験したので報告した.患者は誘引無く右大腿骨転子下骨折を生じて当院受診した.しかし患者の活動性が低いため経過観察とした.受傷3ヶ月後,右大腿が腫脹し,患者に貧血症状が見られ当院再診した.右大腿骨遠位骨片が大腿動脈を傷つけ,大腿血腫を生じているのが観察された.三次医療機関で処置を受けたが,1ヶ月後,右下肢は壊死に陥り,患者は多臓器不全で死亡した.骨折の合併症に十分注意する必要があることを改めて痛感した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ