疫学と経皮感作

  • 長尾 みづほ
    国立病院機構三重病院臨床研究部アレルギー疾患治療開発研究室

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タイトル別名
  • Why food allergy increased? : Epidemiology and epicutaneous sensitization

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抄録

食物アレルギーが増えていることは臨床現場での実感である. 確定診断は負荷試験であることから, 疫学調査において正確な有病率を得ることは必ずしも容易でないが, 増加を支持する多くの報告がある. 発症原因の一つとして, 最近は経皮感作が注目されている. 典型的なものは, 大きな社会問題ともなった加水分解小麦含有石鹸による小麦アレルギーがあるが, 小児の食物アレルギーでも皮膚からの影響が考えられている. ハイリスク児に対して生下時からの保湿によってアトピー性皮膚炎の発症が抑制されたという報告が出され, 食物アレルギーの発症も抑えることができるかにも注目されている. アレルギーマーチが皮膚から始まるとすれば, 一般集団に対しても生下時からのスキンケアをすることにより, 食物アレルギーの増加を抑止できる可能性が期待される.

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参考文献 (14)*注記

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