経口免疫寛容を意識した離乳食

  • 栗原 和幸
    神奈川県立こども医療センターアレルギー科

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タイトル別名
  • Weaning considering oral tolerance induction

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抄録

アレルギー疾患の患者指導の大原則はアレルゲン曝露の回避であり, これは感作の過程でも, 感作成立後の症状誘発に対しても, 同様である. 食物アレルギーにおいては除去食がその方法となる. しかし, 免疫学の領域においては古くから経口摂取 (そして腸管から吸収) された抗原に対しては強い免疫抑制が誘導されることが知られており, 経口免疫寛容という概念が確立している. 近年, ヒトにおいても経口免疫寛容が機能しており, 感作はバリア機能の傷害された皮膚を通して起こる (経皮感作) ことが確認され, この二つの概念をふまえると, これまでとは大きく異なる対応方法がみえてくる. 離乳食の遅れは食物アレルギーを促進する危険性が考えられ, 食物アレルギーの予防のために適切な離乳の様式について新たな検討が必要である.

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参考文献 (21)*注記

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