自己免疫性膵炎に先行して発症し,IgG4関連疾患と考えられた肝病変の一例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of the hepatopathy developed prior to IgG4 related autoimmune pancreatitis
  • 症例報告 自己免疫性膵炎に先行して発症し,IgG4関連疾患と考えられた肝病変の一例
  • ショウレイ ホウコク ジコ メンエキセイスイエン ニ センコウ シテ ハッショウ シ,IgG4 カンレン シッカン ト カンガエラレタ カン ビョウヘン ノ イチレイ

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抄録

症例は60歳代の女性.肝に結節性病変を指摘され,当院を受診した.超音波検査では径1.5 cmの単発性腫瘍を認めたが,他の画像検査では腫瘍径は大きく,病変は多発性であった.入院時の検査で胃癌を認め開腹術が行われ,肝病変も同時に切除された.切除標本では,腫瘍として認識された部位には白色小結節が集簇していた.組織学的には門脈域にリンパ濾胞を伴う炎症細胞浸潤を認め,門脈や中心静脈に閉塞性静脈炎を認めた.手術約1年後に自己免疫性膵炎が発症し,肝病変もIgG4関連疾患の一部と考えられた.IgG4関連疾患は近年その概念が確立されたが,肝病変の報告は少なく不明な点が多い.本症例はIgG4関連肝疾患として貴重な症例と思われた.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 57 (5), 233-241, 2016

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (11)*注記

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