Developing a Residency Curriculum Dedicated to Training Highly Skilled Clinical Pharmacists

  • Yoshikazu HAYASHI
    Pharmaceuticals and Medical Devices Agency Musashino University Graduate School of Pharmaceutical Sciences
  • Rena NISHIGAKI
    Department of Pharmacy, National Cancer Center Hospital
  • Satoshi TOYOSHIMA
    Musashino University Graduate School of Pharmaceutical Sciences

この論文をさがす

抄録

チーム医療において他職種と協働・連携できる実力を備えた薬剤師を養成するためのレジデントカリキュラムの作成に資することを目的に, 薬剤師レジデント制度に関して長い歴史を有する米国病院薬剤師会 (ASHP) の専門領域 (がん) の薬剤師レジデントプログラム (PGY2) のカリキュラムをがん領域の専門薬剤師養成のためのレジデントプログラムを実施している国立がん研究センター中央病院 (NCCH) のカリキュラムと比較した. それにより, 薬剤師が特定の専門領域のスペシャリストを目指す場合のレジデントプログラムの課題およびチーム医療に貢献できる能力を備えた薬剤師の養成に必要な事項を明らかにした. その結果, カリキュラムの達成目標の項目には日米で大差はないものの, 米国では, より一貫した考え方に基づきカリキュラムが構築されていることや, 臨床推論を駆使して患者個々の薬物療法を最適化する能力の育成に大きな比重が置かれていることなどがわかった. また, レジデントカリキュラムの改善点をさらに検討するため, NCCHのレジデントと指導薬剤師を対象にアンケート調査を行った. 調査の結果から, 臨床研究に取り組んだ経験に乏しいレジデントには, 医薬品情報の収集・加工能力を養い, 研究能力を強化する研修が必要なことや, レジデントと指導者とで到達目標に対する認識を統一しておく必要があることなどが明らかになった. 以上の課題と改善策は, 高度な専門能力を備えた薬剤師の人材養成に施設や専門領域にかかわらず広く適用が可能ではないかと考えられた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ