難治性気胸に対して局所麻酔下胸腔鏡を用いたフィブリン糊散布とPGAシートが有用であった1例

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タイトル別名
  • Fibrin Glue Sealing and PGA Sheet Application for Intractable Pneumothorax with Thoracoscopy Under Local Anesthesia

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抄録

背景.低肺機能で全身麻酔が困難な難治性気胸症例に対して,局所麻酔下胸腔鏡治療を施行した.症例.84歳男性.間質性肺炎急性増悪で入院し,ステロイド治療が開始された.また間質性肺炎によるII型呼吸不全の進行を認め,在宅酸素療法が導入された.今回,右気胸を発症し,胸腔ドレナージに加えて,自己血による癒着療法を3回,透視下での造影剤希釈フィブリン糊胸腔内投与を2回施行したが,エアリークは止まらず難治化した.低肺機能とII型呼吸不全を合併し,全身麻酔下での手術や気管支鏡下気管支塞栓療法が困難であった.結果.局所麻酔下に胸腔鏡を用いて,瘻孔部位を同定し,フィブリン糊散布に加えてPGAシートを被覆し,瘻孔を閉鎖し得た.結論.低肺機能で全身麻酔が困難な難治性気胸症例に対して,局所麻酔下胸腔鏡を用いたフィブリン糊散布とPGAシートの併用は有用な治療選択肢の一つである.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 38 (3), 201-204, 2016

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

被引用文献 (1)*注記

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