G-CSF産生が疑われた肝内胆管原発扁平上皮癌の1例

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タイトル別名
  • A Case of Granulocyte Colony-stimulating Factor (G-CSF) Producing Squamous Cell Carcinoma Arising from Intrahepatic Bile Duct

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抄録

患者は70歳代,女性.体重減少と発熱を主訴に受診した.造影CTにて肝S4,S5,S8に低吸収性腫瘤を認め肝内胆管癌が疑われた.FDG-PET/CTでは,肝腫瘍と骨髄にびまん性の高集積を認めた.発熱と白血球増多などの炎症反応が持続し,血中granulocyte colony-stimulating factor(G-CSF)も高値のため,G-CSF産生肝内胆管癌の診断で肝中央2区域切除を施行した.切除後,炎症所見は速やかに消褪し,血中G-CSFも低下した.病理組織で腫瘍は扁平上皮癌で,抗G-CSF抗体を用いた免疫染色では肝細胞とほぼ同程度の染色となった.臨床経過と総合してG-CSF産生肝内胆管癌と診断された.FDG-PET/CTを術後に再検し,骨髄への集積が消失しているのを確認した.これまでの報告を検討すると,本疾患は非常に予後が悪く,骨髄へのFDG集積の消失を術後に確認した報告は無いため,貴重な症例と考えられた.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 30 (2), 251-258, 2016

    日本胆道学会

被引用文献 (1)*注記

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