Invasive micropapillary carcinoma(IMPC)を伴った乳頭部腺癌の1例

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  • A case of ampullary adenocarcinoma with invasive micropapillary carcinoma

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抄録

症例は73歳,女性.胆管炎後の遷延する肝機能障害を主訴に当科紹介,腹部CT,MRIでは十二指腸乳頭部より上流の胆管拡張を認めるも原因不明であった.EUSでは乳頭部に10mm大の不整な低エコー腫瘤を認め,ERCPでは乳頭部胆管に片側性の壁不整所見が描出された.IDUSでは共通管部から乳頭部胆管に低エコー腫瘤を認め,EST後に施行した同部の生検にて低分化型腺癌と診断された.乳頭開口部には腫瘍の露出を認めず,非露出腫瘤型の乳頭部癌と診断し幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織ではInvasive micropapillary carcinoma(IMPC)を伴う乳頭部腺癌であった.大きさは9mmあったが高度なリンパ管浸潤とリンパ節転移をきたしていた.後の検討において生検組織中にIMPC成分が含まれており,術前にIMPCの診断がなされた場合においてはリンパ節郭清を十分に行う必要があると考えられた.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 30 (2), 281-289, 2016

    日本胆道学会

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