直腸S状部癌術後にイレウスで発症した孤立性小腸転移の1例

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タイトル別名
  • A Case of Isolated Small Intestinal Metastasis after Surgery for Rectosigmoid Cancer

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抄録

症例は87歳女性.2012年3月,直腸S状部癌の診断で高位前方切除,子宮部分切除を施行された.病理組織学的診断は中分化腺癌でpT4b(子宮),pN0,cM0,ly1,v1,INFc,PM0,DM0,RM1(子宮),pStageIIであった.術後に吻合部出血と縫合不全を認めたが保存的治療で軽快し退院となった.2014年8月,嘔吐を主訴に来院されイレウスの診断で手術を施行した.Treitz靭帯から200cm程の小腸に腫瘤を触知し,同部位を起点に腸管のcaliberchangeを認めイレウスの原因と考えられた.腹膜播種を思わせる漿膜面の変化はなく,小腸腫瘍の可能性を考慮して小腸部分切除を施行した.病理組織所見は中分化腺癌で,筋層を主座として粘膜面および漿膜面への露出はほぼ認めず,先行する大腸癌の孤立性小腸転移と診断した.術後経過は良好で退院され,現在まで無再発で外来通院中である.

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参考文献 (1)*注記

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