妊娠中のラモトリギンの血中濃度の変化および発作の悪化について

  • 大谷 英之
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 山﨑 悦子
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 芳村 勝城
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 重松 秀夫
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 日吉 俊雄
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 寺田 清人
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 井上 有史
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター

書誌事項

タイトル別名
  • Lamotrigine and Pregnancy: Changes of Serum Concentration and Seizure Frequency

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抄録

当院でラモトリギン(LTG)使用中に妊娠した症例のうちEURAPに登録した16例(13名)について、妊娠中の薬物血中濃度の変化、発作頻度、投与量の変化を後方視的に検討した。16例のうち15例で出産した。奇形合併出生はなかった。1例は在胎27週に入浴中の発作で溺死した。妊娠前の平均LTG投与量は、単剤治療例(6例)216.7±60.6 mg(150~300)、多剤治療例(10例)270.0±126.8 mg(125~500)であった。妊娠前の血中濃度の中央値は7.8 μg/mlであり、妊娠中の血中濃度の減少率の中央値は62.35%であった。LTGは7例(43.75%)で増量され、3例(18.75%)で併用薬を追加されたがそのうちの2例はVPAであった。8例(50%)で発作が増悪し、内訳は強直間代発作が4例、複雑部分発作が5例であった。LTGの添付文章に記載された使用量以上の投与を要した例は4例(25%)であった。LTGを妊娠例に使用する場合、妊娠期間中血中濃度が低下し、発作が増悪する可能性があることに留意して管理する必要がある。

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 34 (1), 3-9, 2016

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (16)*注記

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