遺残胆管結石の確認および除去を目的とした経口的直接胆道鏡の有用性

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  • Usefulness of peroral direct cholangioscopy for confirmation and removal of residual bile duct stones

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抄録

【目的】遺残胆管結石の確認および残石除去目的に経口的直接胆道鏡(PDCS)を施行した症例の詳細を検証し,その成績を検討した.【方法】対象は通常の総胆管結石治療直後に,遺残結石有無の確認を目的としてPDCSを試みた14例(男女比4 : 10,平均年齢75歳)で,正常胃10例,Billroth-Ⅱ法再建(B-Ⅱ)1例,Roux-en-Y法再建(R-Y)2例,膵頭十二指腸切除術(PD)後1例であった.スコープは細径内視鏡(GIF-XP260 ; Olympus Medical)で,送気にはCO2を用いた.正常胃例およびB-Ⅱ例ではガイドワイヤー下に,R-Y例およびPD後例では小腸鏡用のオーバーチューブを通じてスコープの挿入を行った.検討項目は,胆管内挿入成功率,結石遺残率,結石除去率および除去法,偶発症発生率とした.【結果】胆管内挿入成功率は71%で,正常胃例においては60%と低率であった.結石の遺残は胆管挿入が可能であった10例中5例の50%に認めた.胆道鏡下結石除去率は,遺残結石が認められた5例中4例の80%であった.偶発症発生率は14%(軽症膵炎1,軽症胆管炎1例)であり,いずれも保存的加療のみで改善が得られた.【結語】PDCSによる遺残結石の確認および除去は,特に術後再建腸管例では有用と考える.正常胃例においては,胆管挿入率を上昇させる工夫が今後の課題と思われる.

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