オフィスブリーチング剤が歯根象牙質に与える影響

DOI
  • 薗部 悠子
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 飯塚 純子
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 岡田 周策
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 武村 幸彦
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 長谷川 晴彦
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 倉持 江里香
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 國松 雄一
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野
  • 向井 義晴
    神奈川歯科大学大学院歯学研究科 口腔機能修復学講座 う蝕制御修復学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of In-office Bleaching Agent on Root Dentin Surface
  • —TMRおよび硬さ試験による検討—
  • —Assessment of TMR and Vickers Hardness Test—

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抄録

 目的 : セラミックスなどの審美補綴を行う際, 失活歯の変色象牙質が歯頸部陰影として視認されることがしばしば問題となっており, 歯冠補綴の事前処置として支台歯をブリーチングするとの症例報告がある. 本研究では, 歯根象牙質へのオフィスブリーチング剤の影響を検討した.<br> 材料と方法 : ウシ切歯歯根象牙質から試料を切り出し, 耐酸性バーニッシュにより2×3mmの被験面を規定した. これらの試料を以下の4群に分けた. なお, 各群の試料数は6とした. 1. cont (非処理), 2. tre-2 (松風ハイライト3回処理を1セットとし2セット), 3. tre-4 (同3回処理を1セットとし4セット), 4. tre-6 (同3回処理を1セットとし6セット). 各試料から300μmの薄切切片を被験面に垂直に切り出し, Transverse microradiography (TMR) で得られた画像から平均ミネラルプロファイルおよびミネラル喪失量 (IML) を算出した. また, 同様にハイライト処理した4群の試料 (n=6) を用いて処理面の任意の5点でビッカース硬さ試験を行った.<br> 結果 : 撮影されたTMR画像からは, 4群ともに顕著な脱灰を示すエックス線不透過性の低下はみられなかった. 平均ミネラルプロファイルからは, tre-6群においてきわめて表面に近接した部位にミネラル密度が低下する傾向が認められた. IMLにおいてはcont群, tre-6群間にのみ有意差がみられた. ビッカース硬さ試験においてはcont群とtre-2, tre-4, tre-6群間に有意差がみられた. また, tre-2群とtre-4群, tre-6群間においても有意差がみられたことから, 処理回数の増加により硬さが減少していることが確認された.<br> 結論 : ハイライトを用いた高頻度のオフィスブリーチングは象牙質表面に脱灰をもたらす可能性がある.

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