治癒切除できたIA期小細胞肺癌の病理学的検討

  • 飯島 秀弥
    仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
  • 洞口 亮
    仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
  • 田畑 俊治
    東北医科薬科大学病院呼吸器外科
  • 須田 祐司
    仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
  • 進藤 百合子
    仙台市医療センター仙台オープン病院呼吸器内科
  • 澤井 高志
    仙台市医療センター仙台オープン病院病理部

書誌事項

タイトル別名
  • Curative Surgery for Stage IA Small Cell Lung Cancer and Its Histological Evaluation

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抄録

背景.限局型小細胞肺癌の標準治療は化学放射線治療である.治療によく反応するが,容易に薬剤耐性を獲得し再発する.この耐性獲得時の病理学的変化をみた報告はない.またIA期であれば,外科切除を加えることで,生存率を向上させ得ることも報告されている.症例.75歳,男性.腹部大動脈瘤の術前検査で右中葉結節影を指摘された.気管支鏡検査と画像診断でIA期小細胞肺癌と診断された.化学療法4コースでほぼ消失したが,8ヶ月後に局所再発を認めた.今回もIA期小細胞肺癌と診断された.前回と同じ化学療法を行ったが,忍容性不良で中断し,外科切除を施行した.治癒切除が得られ,予防的全脳照射を施行し,3年間再発を認めていない.経過中に3回の病理学的検討を行った.2回目の化学療法前の生検組織は,初回化学療法前の生検組織と同等であったが,手術標本では異型性が強く,核分裂像やロゼット形成も認められた.結論.化学療法後に再発し,薬剤耐性を獲得した小細胞肺癌でも,IA期であれば治癒切除を期待できる症例が存在する.

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 56 (3), 205-209, 2016

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (8)*注記

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