All-<i>trans</i> retinoic acid単独投与後に重度の口内炎と回盲部腸管穿孔を発症したHLA-B51陽性急性前骨髄球性白血病

DOI Web Site PubMed

書誌事項

タイトル別名
  • Severe stomatitis and ileocecal perforation developed after all-<i>trans</i> retinoic acid monotherapy in an HLA-B51-positive patient with acute promyelocytic leukemia
  • 症例報告 第169回日本血液学会例会 : 臼杵憲祐例会長 推薦演題 All-trans retinoic acid単独投与後に重度の口内炎と回盲部腸管穿孔を発症したHLA-B51陽性急性前骨髄球性白血病
  • ショウレイ ホウコク ダイ169カイ ニホン ケツエキ ガッカイ レイカイ : ウスキケンユウレイカイチョウ スイセン エンダイ All-trans retinoic acid タンドク トウヨ ゴ ニ ジュウド ノ コウナイエン ト カイ モウブ チョウカン センコウ オ ハッショウ シタ HLA-B51 ヨウセイ キュウセイ ゼン コツズイキュウセイ ハッケツビョウ

この論文をさがす

抄録

症例は34歳男性。汎血球減少を主訴に来院し，急性前骨髄球性白血病(APL)と診断してall-trans retinoic acid (ATRA)を開始した。第25病日に発熱，呼吸困難，肺浸潤影を認め，分化症候群(DS)と診断。ATRA投与を中止し，ステロイド投与にて改善した。第29病日にATRAを半量より再開後，口内炎・咽頭痛の増悪を認めたため第37病日にATRAを中止し，酸素化の悪化を認め第42病日にステロイドを増量した。第48病日に突然右下腹部痛を訴え，回盲部の消化管穿孔と診断され緊急回盲部切除術を行った所，回盲部に多発潰瘍と穿孔を認めた。APLは分子学的寛解が得られ，亜ヒ酸にて地固め療法を行い，完全寛解を維持している。本症例ではATRAまたはATRAによるDSが重篤な口内炎や消化管穿孔の原因の一つと考えられた。また，HLA-B51陽性であり，DSに伴う高サイトカイン血症がベーチェット病と類似した病態を誘発した可能性も示唆される。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (6), 765-770, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ