早期診断・早期治療を行い救命しえた臍帯血移植後の播種性トキソプラズマ症

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タイトル別名
  • Early diagnosis and successful treatment of disseminated toxoplasmosis after cord blood transplantation
  • 症例報告 早期診断・早期治療を行い救命しえた臍帯血移植後の播種性トキソプラズマ症
  • ショウレイ ホウコク ソウキ シンダン ・ ソウキ チリョウ オ オコナイ キュウメイ シエタ サイタイケツ イショク ゴ ノ ハシュセイ トキソプラズマショウ

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抄録

66歳女性。難治性血管免疫芽球性T細胞リンパ腫に臍帯血移植を施行し96日目(D96)に発熱，咳嗽，CTで両肺小葉中心性スリガラス影が出現した。移植前の抗Toxoplasma gondii IgG抗体陽性で，気管支肺胞洗浄液と末梢血のPCR法でT. gondii DNAが検出された。神経症状は無いが，頭部MRIで右後頭葉占拠性病変を認め，播種性トキソプラズマ症と診断した。D99よりpyrimethamine (Pyr), sulfadiazine (Sdz)投与を開始し，2ヶ月で肺・脳病変は消退したが，D146にトキソプラズマ性網脈絡膜炎を発症。さらにD158に無顆粒球症を併発しPyr, Sdzは中止，D165よりatovaquone, D174よりspiramycinを開始し，眼症状は改善傾向にある。造血幹細胞移植後播種性トキソプラズマ症は致死的合併症であるが，早期診断・早期治療により救命し得る。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (6), 736-741, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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